粉が湯に 完全に浸かった まま決められた時間を過ごし、そのあとで液体と粉を分ける淹れ方です。湯が粉床を通り抜け続ける透過式の対極にあります。
フレンチプレス、エアロプレス、Clever、サイフォン、コールドブリューはすべて浸漬式です。抽出のあいだ粉と湯はずっと接していて、最後に押す、引き上げる、落とす、濾すのいずれかで抽出を終わらせます。
味の傾向
浸漬式のカップは 丸く、ボディがあり、そして寛容 です。湯と粉床がある種の平衡に近づくので、チャネリングはほとんど問題になりませんし、注ぎの技術は関係ありません。粒度分布がどうであれ、すべての粒が等しく湯に浸かるからです。代わりに、透過式ほどの透明感は出ません。微粉が長く漂い、油分も強くは濾されないためです。
細部を聴きたい浅煎りなら、たいてい透過式(V60、Chemex)が勝ちます。ボディこそが目的の、深めで甘いチョコレート寄りの焙煎なら、浸漬式が歌います。
なぜここまで失敗しにくいのか
どんな抽出でも、効くつまみは三つ。挽き目、時間、湯温です。ハンドドリップはそこに 撹拌のムラ が加わり、湯の流れが偏るだけでレシピが台無しになります。浸漬式はこのつまみを丸ごと外します。粉床は、あなたの手ではなく化学が決めた一定の速度で成分を出します。レシピなしで抽出を覚えはじめる人にまず勧められるのは、そのためです。