コーヒー豆のなかにある 使える 水の量を示す指標です。化学反応、微生物の増殖、香りの散逸に参加できるほど自由な水のことを指します。Aw と書き、0から1の尺度で、1が純粋な液体の水、0がからからの状態です。
焙煎された豆は、ふつう 0.20から0.40 Aw に収まります。0.20を下回ると豆は表現力を失い、干からびに近づきます。0.40を超えると、カビと香りの劣化の危険が出てきます。
含水率とは別ものである理由
含水率は、豆のなかに水がどれだけあるかを教えます。水分活性は、そのうちどれだけが 活きて いるか、つまり豆の構造に閉じ込められているのではなく、化学的に手が届く状態にあるかを教えます。含水率が同じ二つの豆でも Aw は違いえますし、Aw の高いほうが、総量にかかわらず速く古び、速くカビ、速く香りを失います。
実務で効いてくる場面
スペシャルティのロースターが Aw を見ているのは、保管中にそのコーヒーがどう変わるかを、いちばんよく予測できる数字だからです。焼き上がりで0.30 Aw の豆を、平衡湿度が0.50 Aw に相当する環境に置けば、豆は環境と釣り合うまで水を吸い、劣化が加速します。湿度の低い場所(あるいは調湿剤を入れた密封袋)での保管は Aw を保ち、豆がその豆らしい味でいる時間を伸ばします。
生豆では 0.55〜0.65 Aw が標準的な保管域です。0.70を超えるとカビとオクラトキシン A のリスクが出ますし、0.45を下回ると乾かしすぎで、焙煎がむらになります。
Aw は据置型の水分活性計(Rotronic、Aqualab)で測れます。家庭の愛好家が実物を見る機会は、まず訪れません。飲み手にとっての意味は概念的なもので、一方向バルブの付いた密封袋がなぜ存在するのか、その 理由 がこれです。