エスプレッソのポルタフィルターに入れた粉を、平らで、水平で、均一な密度のパックになるまで押し固める動作です。マシンに装着する前に行います。タンピングをしなければ、粉床には空隙と密度のムラが残り、加圧された湯はいちばん抵抗の小さい道を見つけ、そこを突き抜けて、抽出がばらつきます。
どれくらいの力で押すべきかは、いまだに議論されています。その議論はおおむね決着していて、そしておおむね的外れです。効くのは、パックが 水平 に仕上がること、そして毎回同じことをすることです。傾いたタンピングは深いほうへ湯を走らせて水路を作りますし、力が毎回違えば、一杯ごとに別のショットになります。
タンピングがしていないこと
「粉を圧縮して濃くする」ことはしていません。抽出しているのはショット中の圧力で、タンピングはその圧力が押し通るための均質な粉床を用意しているだけです。強く押しても濃いショットにはならず、遅いショットになります。それは、挽きを細かくすることの不器用な代用です。
ハンドドリップでこれに当たる所作は 粉ならしと蒸らし です。本注ぎが始まる前に、粉床を平らにして均一に湿らせる。目的は同じで、粉床に近道を作らせないこと。機構が違うだけです。