抽出したコーヒーの屈折率、つまり液体がどれだけ光を曲げるかを測り、それを TDS のパーセンテージへ換算する手のひらサイズの機械です。TDS と、使った湯量と、粉量を抽出計算に入れれば 収率、豆の質量のうち何パーセントが実際にカップへ溶け出したかが出ます。
スペシャルティで使われるのは主に2ブランドです。VST(元祖で、コーヒー専用に較正されています)と Atago(安価で、精度はわずかに落ちます)。使い方は同じで、センサーに数滴垂らし、10秒待って、数字を読むだけです。
何が手に入るか
舌では安定して出せない診断値がふたつ手に入ります。
- TDS(ペーパードリップの標準域は1.20〜1.50%)は、カップの濃度を教えます。
- 収率(釣り合いの取れる域は18〜22%)は、豆からどれだけ引き出せたかを教えます。
この二つが揃うと、「粉が少なかったから薄い」(TDS が低く、収率は正常)と「抽出できていないから薄い」(TDS も収率も低い)を切り分けられます。屈折計がなければ、この二つは同じ味に感じられます。
買う価値があるとき
レシピをまたいで再現性を追っている、店の水準で安定させたい、二台のグラインダーを客観的に比べたい。そういう場面なら元は取れます。1日1〜2杯を自分のために淹れていて、いまの味に満足しているなら、これは贅沢品です。TDS 計が現れるずっと前からハンドドリップはおいしかったのです。この道具は 壊れているものを直す ためのもので、すでにうまくいっているカップをさらに磨くためのものではありません。