コンテンツへスキップ

テクニック

チャネリング

レベル 上級 目安 3min

チャネリングとは、お湯が粉床の中に一本の道を見つけ、それを使ってコーヒーの大半を素通りしてしまうことです。一杯は空洞めいて酸っぱく、抽出が足りない味になります。それでいて粉床は、ちゃんと淹れたように見える。時間だけは正しく見えることが多いので、ハンドドリップでいちばん診断しにくい問題です。

目に見えるもの

抽出後、器具に残った粉床を見てください。特徴的なサインがあります。

  • 粉床の一部に、縁から底へ走る濃い縦の筋
  • 片側にできた溝や穴。さっきまでなかったものです。
  • 別の場所にある、明らかに乾いた部分

どれも、お湯が一か所に集まって残りを無視した跡です。全体の抽出時間が表向き正常でも、その乾いた部分の粉はほとんど溶け出していません。

原因

チャネリングの原因がひとつだけということはまずありません。たいていは組み合わせです。

  • 挽きのばらつき微粉粗い塊が多いと、微粉が底の特定の場所に溜まって詰まり、水はそこを迂回します。
  • 注ぎで粉床を乱した(ケトルの先を突っ込んだ、縁に当てた、螺旋がぶれた)。一度道ができると、水はそこを使い続けます。
  • バイパス。粉ではなく紙の縁に当たったお湯です。抽出に加わらないまま壁を伝って落ちていきます。
  • 古い紙、折れ重なった紙。壁に張り付いた紙は片側からしか抜けません。最初から流れが偏ります。

効く順に対処する

  1. 紙を熱湯でリンスし、器具に密着させる。 これが何のためかを取り違えないでください。紙の味のためではなく(その議論は注ぎの技術にあり、効果はわずかです)、座りのためです。片側だけ壁から浮いた紙は一滴目から抜けが偏り、それはコーヒーを注ぐ前に自分で作ったチャネルです。
  2. 鉛筆のような細い湯線で注ぐ。 ケトルは粉床の近く(表面から1〜2cm)、螺旋はゆっくり。湯線が太くケトルが高いほど注ぎは乱流になり、道ができやすくなります。
  3. 縁から5mm離す。 縁に落ちた水はバイパスで、抽出しません。
  4. 挽きの粒度分布を改善する。 微粉の多い手挽きなら、挽いたあとに軽くふるうだけでも効きます(台所の粉ふるいで最悪の分だけ落ちます)。臼のグレードを上げれば恒久的に解決します。
  5. 蒸らし中の WDT。 WDT(Weiss Distribution Technique)は、細い針の束や爪楊枝で濡れた蒸らしの表面をやさしくほぐし、あとでチャネルになるダマを崩す手法です。専用の道具もあります(Aram、Plateau、0.3〜0.4mm のピンを持つもの全般)が、割り箸に縫い針をテープで留めたもので同じことができます。
  6. 最後のスワリング(Rao スピン)。 落ちきりが終わる30〜45秒前に、やさしく回します。粉床を平らに戻し、壁に張り付いた粉を落とします。

直ったサイン

  • 最後の粉床が平ら、または浅く均一なくぼみになっている。
  • 縁から底への筋が見えない。
  • レシピに対して味のバランスが取れている——甘さが戻ってくる。
  • 落ちきりの時間が抽出ごとに再現する。同じレシピで30秒以上ぶれるなら、まだ断続的にチャネリングしている可能性が高い。

チャネリングを疑うべきとき

一杯が平板で紙っぽいなら、それは出すぎか水のミネラルです。

一杯が酸っぱくて時間も短すぎるなら、それは挽きが粗い問題です。

一杯が酸っぱいのに時間は正常で、粉床に傷跡があるなら、それがチャネリングです。時間は同じでも、溶け出したコーヒーは少ない。お湯が粉床全体を使わずに一本道を駆け抜けたから、予定どおりに終わったのです。

診断の核心はここにあります。時間は嘘をつき、粉床は本当のことを言います。

実際に淹れてみる

これを実践に移せるレシピ。

次のステップ

時間管理はGotaにおまかせ。

このレシピをそのまま、iPhoneでステップごとに。各注湯のハプティクス、リアルタイムの注水目標、そして仕上がりを記録する抽出ログ付き。

  • ステップごとの音とハプティクス
  • 分量を変えれば比率も自動調整
  • 保存して抽出を記録

無料 iOS 登録不要 127人のバリスタによる1014件のレシピ