カッピングは、スペシャルティコーヒーの業界がコーヒーを評価するために使う、標準化された味わい方です。1990年代に Specialty Coffee Association が手順を定め、シングルオリジンの袋に印刷された点数も、生豆の買い付けの判断も、競技会の順位も、すべてこの方法の上に成り立っています。このアプリにある他の淹れ方と違って、カッピングはおいしい一杯を作るためのものではありません。「比較できる」一杯を作るためのものです。
仕組みを一段落で
粗挽きにした同量の粉を、同じ形の小さなボウルに入れます。沸騰直後の湯を粉に直接注ぎ、ボウルを満たします。表面に粉と油分の層(クラスト)ができるので、きっかり4分、手をつけずに待ちます。スプーンでクラストを割りながら、立ちのぼる香りを吸い込む。浮いた粉と泡を取り除き、飲める温度まで下がるのを待つ。評価はいつも同じ順序です。フレグランス、アロマ、フレーバー、アフターテイスト、酸、ボディ、バランス、甘さ。
なぜ評価に向くのか
理由は3つあります。
- 再現性:固定できる変数はすべて固定してあります。動いているのはコーヒーだけです。
- 比較しやすさ:ボウルが横に並びます。順番に飲み比べるより、並べたほうが差はずっと鋭く出ます。
- 腕のせいにできない:注ぎの失敗もチャネリングもありません。味が痩せていたら、痩せているのはコーヒーです。
ハンドドリップやエスプレッソにはノイズが乗ります。注ぎ方が少し違う、粉の詰め方が少し違う、それだけで味は動く。カッピングはそれを取り除きます。残るのはコーヒーだけです。
家でやる価値
違うコーヒー3種類をボウルに並べて飲む。それだけで、1週間ぶんのハンドドリップより多くのことが味覚に入ります。ロースターがクエン酸的な酸とリンゴ酸的な酸を語り、ウォッシュトとナチュラルを語り、エチオピアとケニアを語る。読んでいるうちは掴めません。カッピングをすると、当たり前になります。
このあとの記事では、SCA の標準プロトコル、新しい CVA 2024 規格、家庭向けに縮めた手順、トライアングルテスト(識別の訓練)、そして屈折計を手に入れたあとに狙う TDS の話を扱います。