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官能科学

コーヒーの味 感覚を育てる

Les goûts du café : Cultiver ses sens

Pierre de Chanterac, Christophe Servell

土地と工程から二つのカッピング演習まで、味を追っていくフランスの実践的な論考。その明快さは産業的な標準化に抗する強い主張から生まれているが、まさにその立場ゆえに、教育、嗜好、証拠を区別して読む必要がある。

この本を選んだ理由. 一杯を農業や加工から切り離さずに実践的な味わい方を示し、焦げた苦味がコーヒー本来の味だという思い込みを問い直す。

出版年2024 ページ192 読了10min

対応言語

  • フランス語
Les goûts du café : Cultiver ses sensの表紙

オリジナル表紙 · La Bourse aux Livres

よりよく味わうために理解する

コーヒーの味覚:感覚を育てるは、技法を教える前に、コーヒーについての心象を変えることを提案する。Apogée出版社は、その目的を直接的な流れで要約している。すなわち、上質なコーヒーとは何かという認識を更新し、それを可能にする各段階を説明し、理論上および感覚上のしるしを見分け、既成概念を解体することである。著者のPierre de ChanteracとChristophe Servellは、フランスのスペシャルティコーヒー界とTerres de Caféという企業の立場から執筆している。

資料で確認できる版は192ページ、14×21センチメートルのペーパーバックで、ISBNは9782843988004である。Apogéeは2024年3月6日付としている一方、Terres de Caféのページは2025年4月16日発売と告知している。書店の個別カタログであるLe Bleuetも、同じ作品とISBNを特定している。この日付の相違は資料からは解決できないため、書誌情報には出版社の日付を残し、本稿では不一致を明示する。

Apogéeは目次の全文、著者紹介、短いプレス欄を公開している。その資料から本書の構想を再構成することはできるが、すべての主張を検証できるわけではない。ここで構成や演習に触れる場合は目次が予告する内容を記述し、味覚や産業についての命題を評価する場合は、著者の立場と独立した証拠を区別する。

土地からカップまでをたどる二部構成

第一部は、コーヒーの味がどのように形づくられるかを説明する。冒頭の章は、調達、歴史、語彙、炭素、炭化、標準化を結びつける。第二章は、自然と文化の相互作用としてテロワールを展開し、地理、気候、種、品種、意思決定を扱う。生産者の証言も含まれる。第三章は、収穫、発酵、乾燥、休息、選別、輸送、焙煎をたどる。

この順序は、知覚されるものをすべてバリスタや最終的なレシピに帰すという、よくある誤りを避けている。一杯のコーヒーは、植物材料、環境、農作業、微生物学、乾燥、物流、熱変換、抽出の結果である。輸送とカーボンフットプリントも含めることで、本書はさらに、価値が味だけに宿るのではないことを示唆する。

第二部では、焦点が形成から観察へ移る。良いコーヒーとは何かを問い、カッピング、欠点、刺激、感覚の仕組みを紹介した後、ボディ、後味、記述語、アロマノート、バランス、相乗効果を分析する。二つの章では理論を演習に変える。一つはコーヒーの選定と注意の段階を伴う家庭でのカッピング、もう一つはカッピング以外の実践で、レストラン、カフェ、家庭を舞台に抽出上の問題を取り入れる。

終盤の章は「世界最高のコーヒー」を問い、能力を高めるための鍵を提示する。味覚の多様性、言葉の重要性、偏りを切り離すための衛生、直接比較、演習である。この構成が最終的に示すのは、経験は産地についての言説を集めることではなく、比較することによって築かれるという点である。

論争的な命題の強さと危うさ

宣伝文は、存在しうる数百の香りと、一般的な三つの表現、すなわち苦い、甘い、強いを対置する。そして、ほぼ覇権的な産業供給が繊細な知覚への道を閉ざし、焦げて苦いモデルを定着させたと非難する。この命題は本書に方向性と緊迫感を与えている。コーヒーの味は一つではなく、深煎りは自然に備わった本質ではないことを確かめるよう読者を促す。

しかし、これは一つの立場としても読まなければならない。「フランス人十人のうち九人」という数字は、目に見える方法論的な出典を伴わず出版社のページに現れる。監査された全国統計として扱うことはできない。産業コーヒーがすべて同じ特徴を持つわけでも、スペシャルティコーヒーがすべて自動的に均衡しているわけでもない。この対比は教育的な論拠としては機能するが、市場を評価するには標本とデータが必要になる。

また、著者と商業的な対象の間には直接の関係がある。ServellはTerres de Caféを創業し、De Chanteracは同社で働き、Q Grader認定と抽出競技の受賞歴を持つ。その経験により、生産者、焙煎、買付け、教育への接点が得られる。同時に、その会社はまさに本書が擁護するカテゴリーで定義されるコーヒーを販売している。それは本書を退ける理由ではないが、その視点を明示し、著者の品質観を中立的なものとして提示しないための理由にはなる。

目次は、味覚の多様性、偏り、比較を取り上げることで、この緊張の一部を意識しているように見える。決定的な点は、「良い」が記述と嗜好に対して開かれたままなのか、それとも著者たちの美的な規範と同一視されるのかである。公開されているページからは判断できない。

語彙、基準、比較

本書は、曖昧さの少ない言葉を使うよう繰り返し促す。この目標は、味、香り、質感に関する110の属性を定義し、強度を測るための基準を示すWCR感覚語彙集と一致する。記述語は、各テイスターの個人的な記憶だけに依存しなくなることで、より共有しやすくなる。

現在のフレーバーホイールは、文書化された手順によって構成された。Spencerらの研究では、72人の参加者、99語の分類、階層的クラスタリング、多次元尺度構成法が用いられた。論文は、ホイールが再現可能な記述を助けると述べる一方、解釈上の判断と語彙が発展途上にあることも認めている。

この比較は、本書の実践的な提案を後押しする。二つのコーヒーを直接味わえば、単独の試料を記憶する負担が減る。状況と偏りを管理すれば比較の質が高まり、ボディや後味を別々に名づけることは異なる次元の観察を促す。ただし、共有された語彙を使っても、「より良い」が客観的な結論になるわけではない。記述について合意できても、好みまで一致するとは限らない。

したがって、家庭でのカッピングは認証よりも教育のために役立つ。焙煎、挽き目、水、温度、時間、順序を厳密に管理しなければ、実験室を再現するものではない。それでも、いくつかの変数を一定に保ち、違いを見いだす方法を読者に教えることはできる。価値があるのは、公正な比較を設計することであって、台所から商業的な点数を付けることではない。

Coffee Value Assessmentとの対照

SCAのCoffee Value Assessmentは、「良いコーヒー」という考えを問い直すために、現在もっとも有用な枠組みを提供する。物理的評価、感覚的記述、情動的印象、外在的情報を分けている。産地と工程は価値を加えうるが、カップの記述にひそかに混入させない。評価者の好みは記録するが、客観的属性に見せかけない。

コーヒーの味覚は、この四つの領域、すなわち物理的欠点、ボディと香り、良さについての判断、土地や変換の物語を横断する。その物語的なアプローチは、それらを結びつけ、鎖全体を見せることを可能にする。危険なのは、それらを再び一つの序列へ溶かし込むことである。CVAと併読すれば、各箇所で、感覚を記述しているのか、好みを表明しているのか、実践について知らせているのか、倫理的評価を下しているのかを問う助けになる。

外在的な次元は、炭素、生産者とのつながり、人間中心の農業を扱う章でとりわけ重要である。二つのコーヒーが感覚的には似ていても、そうしたデータは重要になりうる。逆に、魅力的な物語だけではフローラルノートを証明できない。側面を分けても価値は減らず、その由来が明らかになる。

テロワール、工程、因果関係

目次はテロワールと発酵に大きな紙幅を割いている。都市の消費者がすでに焙煎された状態で受け取る飲み物に、農業と労働を取り戻すことができるという、理解できる判断である。しかし、「テロワール」は容易にすべてを説明する概念へ変わりうる。気候、品種、管理、成熟度、工程、乾燥、保管、焙煎、水、抽出は相互作用する。知覚された一つのノートから、単一の原因を特定できることはめったにない。

生産者の証言は、その場に根ざした経験をもたらすが、対照実験に相当するものではない。各章は変数の優れた地図になりうるが、仕組みを実証するには依然として一次文献が必要である。発酵についても同じで、工程に名前を付けるだけでは特定の風味や改善は保証されない。条件、微生物学、管理が必要になる。

本書は、「自然と文化」を並べ、焙煎までの鎖を追うことで、この単純化の一部を避けているように見える。この表現は人間の意思決定を認めている。読者は、すべてを土壌や標高に帰す商業的言説に出会ったときにも、この観点を保つべきである。

受容、限界、有用性

Apogéeのページに読者の意見は0件と表示され、「プレス」として、2025年4月に行われた著者自身へのインタビューがリンクされている。その対話は意図を明らかにしうるが、独立した批評ではない。Terres de Caféが提供するのは商業的な紹介と職歴である。調査した資料には、本書を感覚科学や農学の文献と照合する詳細な外部書評は見当たらない。

この記録された受容の不足を、価値の不足と混同してはならない。それは単に、利用できる評価が目次、概要、比較対象となる機関資料に基づいていることを意味する。また、本書がどの程度引用を行っているか、「客観的」をどう定義するか、演習にどのような管理条件を定めるか、市場に関する主張をどの証拠が支えるかも確認できない。

本書は、技術書から始めることなく農業、工程、カップを結びつけたい消費者や初級の専門家に向いているように見える。二つの演習は、読むことから比較することへ移る具体的な道を提供する。上級の買付担当者、焙煎士、指導者は、SCAのプロトコル、WCRの語彙集、専門研究で各章を補う必要がある。

本書の最良の貢献は、どのコーヒーが最高かを決めることではない。飲み物を可能にした鎖を認識しながら、変数を切り分け、比較し、言葉を学ぶことで味覚が育つと示すことである。本書を最もよく読むには、題名が解決しているように見せる問いを開いたままにするとよい。いつカップの属性について語り、いつ自分の好みについて語り、いつ選択によって支えたい世界について語っているのか、という問いである。

書誌情報源

次に読む本

生産 · 2017 コーヒーの技と科学 編集: Britta Folmer 20の専門章が、コーヒーのバリューチェーン全体にわたる農業、経済、技術、官能の知識を結びつける。 この本を選んだ理由. 産地、精製、焙煎、抽出での判断を別々の技術ではなく、相互に作用するものとして示す点に価値がある。 抽出 · 2020 THE STUDY OF COFFEE 堀口俊英 生産から抽出、官能評価までの流れを一つの枠組みで捉える、体系的なコーヒー研究。 この本を選んだ理由. 抽出を生産や知覚から切り離さず、一杯をコーヒーチェーン全体の選択がつながった結果として考える。 抽出 · 2015 コーヒーの淹れ方 豆の背後にある科学 Lani Kingston コーヒーの科学と幅広い家庭向け抽出法の実践手順を結びつけたコンパクトなガイド。 この本を選んだ理由. 挽き目、水、温度、技術が一杯をどう変えるか理解するための科学用語を初心者に提供する。 抽出 · 2008 コーヒー「こつ」の科学 コーヒーを正しく知るために 石脇智広 植物と生豆から挽き方、抽出、包装、流通、品種までを、イラスト入りのQ&Aでコンパクトにたどる。 この本を選んだ理由. 固定レシピよりも、慣習的な助言にどんな根拠があるか、どこから好みの判断になるかを問う点に価値がある。

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