自分自身の好みから始まる道筋
尋味咖啡 の正式な書名は、テイスターの助けを借りて36種の風味を見分け、一人ひとりに最も合うコーヒーを見つけることを約束している。この最後の部分が肝心である。王人傑、ワン・レンジエは、官能能力を、価格、競技会、名高いロットの序列に従うこととして捉えてはいない。詳細な出版社の紹介によれば、コーヒーの飲み方を学ぶとは、違いを見分け、それについて考え、自分自身の好みを築くことである。
本書は2019年7月10日に台湾で刊行された。繁体字中国語による160ページのカラー印刷で、製本はペーパーバックである。出版社はISBN、寸法、著者、日付、完全な目次を記載しており、金石堂も、同じ作品に結びつけられた電子版の書誌でそれらの情報を確認している。さらに出版社のページには、序文と本文の数ページが転載されているため、裏表紙の紹介文以上のことを読み取れる。ただし、それは本全体を入手できることと同じではない。
ワンの経歴は、茶、カフェ、焙煎、品質管理、台湾での生産にまたがる。出版社による略歴には、専門資格のほか、コーヒー、土地、生態系の再生を結びつけることを目指した彼のプロジェクト、鳴草咖啡が記録されている。この背景により、本書が消費者教育、バーでの実践、選択に関する倫理的側面を組み合わせている理由が理解できる。
味わう、選ぶ、淹れる
構成は3つの動詞に沿っている。第1部の「コーヒーを味わう」は、専門用語よりも前から始まる。注意を向けることと受け入れる姿勢を求め、甘さ、風味と焙煎の関係、36の系統、カッピング、Qグレーダー、アロマボトル、ホイール、評価シートを扱う。教育上の考え方は明確である。正確な名前を求める前に、日常の官能記憶を広げるのである。
第2部の「コーヒーを選ぶ」は、カフェのメニュー、エスプレッソ文化、ドリップ、浸漬、圧力による抽出、そして「スペシャルティ」と「シングルオリジン」の違いを読み解く。続いて、栽培、収穫、選別、ナチュラル、ウォッシュト、ハニーの各精製法、欠点、標高の単純化された使い方をたどる。この部分は、知覚を購買判断へ移す。すなわち、メニューのどの情報が体験を予測する手がかりになり、どの情報が単なる商業的なシグナルとして機能するかを理解するためのものである。
第3部の「コーヒーを淹れる」は、満足できる一杯の条件を紹介し、淹れることと抽出することを区別し、抽出の定量化に触れ、水を扱い、最後に器具とハンドドリップの実践へ進む。家庭でできる簡単な抽出法と、平底、台形、円すい形のフィルターに合わせたバリエーションも含まれる。本書は官能評価だけの本ではない。選択と調整のためのフィードバックとして味覚を使っている。
この進み方は、本書の最大の長所のひとつである。多くの手引きは理想的なレシピから始め、知覚を結果の確認へと追いやる。ワンは順序を逆にする。まず何を求めているかを学び、次に原料を選び、最後に抽出を変える。したがって、抽出を示す数値は判断に取って代わるのではなく、観察された変化を解釈する助けとなる。
36の香味と現代の語彙
宣伝ページは、「36の香味」をスペシャルティ協会が分類した体系として紹介している。目次ではそれらを、芳香の汚染、酵素反応、カラメル化、乾留に分類している。これらは、旧SCAAホイールや歴史的なアロマ教材で見られるカテゴリーである。この枠組みは大きな影響力を持ち、今でも教育上扱いやすい可能性があるが、現在の記述体系と混同してはならない。
WCR官能評価レキシコンは、風味、香り、テクスチャーに関する110の属性を、定義および強度の参照物とともに収録している。改訂版ホイールはこのレキシコンを基礎としている。2016年の科学論文は、72人の参加者が自由分類、階層的クラスタリング、多次元尺度構成法によって99の属性をどのように整理したかを説明している。また、ホイールは生きた文書であり、いくつかの上位ラベルが専門家の判断によって追加されたことも認めている。
したがって、「36」はコーヒーに存在しうる風味の総数も、現在のWCRの全レパートリーも表していない。より小規模な教材用の集合である。認知負荷を軽減し、香りと工程を結びつけるため、学び始めには役立ちうる。しかし、専門家として読むなら、カテゴリー、参照物、用語を更新する必要がある。本書の書誌には、2019年以降の改訂は記載されていない。
もうひとつ重要な点がある。ホイールは言葉を整理するものであって、知覚を自動的に客観化するものではない。食経験や言語が異なれば、2人の人が同じ参照物から異なる連想をすることもある。サンプル、強度、条件を定義すれば、訓練によってコミュニケーションは改善する。本書は実践と記録を重視しているため、この点を認識しているように見えるが、公開されているページだけでは、提案する厳密なキャリブレーションを評価できない。
品質、好み、自立性
序文の最も興味深い主張は、価格と名声は味覚の代わりにならないというものである。ワンは、より高価なゲシャよりマンデリンのプロファイルを好む例を用いる。客観的な違いを知ることは、個人的な選択に先立つのであって、それを消し去るのではない。この立場は、その後のSCAの方法論的発展と驚くほどよく一致する。
コーヒー価値評価は、物理的、記述的、情意的、外在的という4つの評価を分けている。記述的評価は知覚されたものを記録しようとする。情意的評価は品質についての印象や好みを捉える。外在的評価は産地、精製方法、認証、その他の情報を取り入れる。この区別は、本書が消費者の言葉で説明していることを形式化する助けとなる。一杯が記述上は複雑でも、好まれないことがある。別の一杯は、専門家の高得点に達していなくても、なじみ深さゆえに好まれることがある。
言説のすべてが、この慎重さに同じようにうまく適合するわけではない。序文は、偉大なワインテイスターには、ブラインドテイスティングで品種、ヴィンテージ、収穫時期、さらには日照の向きまで見分ける能力があるとし、一杯のコーヒーが土壌、気候、手入れについて物語りうると示唆する。注意を向けるための比喩としては効果的である。しかし、一般的な経験的主張としては、確認した情報源で実証されている範囲を超えている。多くの変数は重なり合っており、産地の推定には個人的経験だけでなく、ブラインド設計と測定された結果が必要である。
宣伝にはさらに、生豆の特定の欠点が風味だけでなく健康も損なうという主張がある。その論拠と参照文献を読まずに一般化するのは適切ではない。「欠点」は幅広いカテゴリーであり、健康に関する結論には、特定の化合物、用量、毒性学的証拠を明らかにする必要がある。
台湾からの声とその受容
本書は、価値ある地域的文脈を提供する。台湾のホイール、茶と地域栽培に結びついた経歴、そして台湾市場のメニュー、器具、習慣を念頭に置いた学習経路を提示している。英語が中心となっている官能評価文献に対して、この文化的な橋渡しは、記述語を学ぶことが食の記憶を翻訳することでもあると示している。
出版社は、カフェ、教育、コーヒーメディアの専門家による推薦文を掲載している。そのひとつは「味わう、選ぶ、淹れる」という順序を評価し、別の推薦文は、本書が一般の人の視点から出発しながら技術的知識を捨てていない点を強調する。これは業界内の受容として関係のある情報だが、正しく分類しなければならない。出版社の宣伝資料に収められた推薦であって、独立した書評でも、利用状況の研究でもない。
確認した情報源からは、本書のレシピ、分類体系、主張を実験結果と比較する詳細な批評は見つからなかった。金石堂のページにも、購入者による内容のある評価は掲載されていない。出版社が選んだ推薦文を超えて、批評的な成功を主張する根拠はない。
限界と適した読者
最大の限界は時期にある。2019年刊行の本書は、CVAが導入される以前の道具と言葉を用いている。それによって、注意、比較、選択、ドリップの練習が無効になるわけではないが、それらを現行の規格と区別する必要はある。水と抽出に関する具体的な指示も、普遍的な規則とする前に、現在の研究および基準と照合すべきである。
160ページという規模とイラスト中心の構成は、内容の要約を避けられないことを意味する。生産、欠点、水、抽出、官能評価は、ここだけで網羅するには大きすぎる分野である。その代わり本書は、消費者と初心者が取り組みやすい順序を提供する。とりわけ、メニューの用語に疎外感を覚える人や、「良いコーヒー」とは単に最も高価なものだと思っている人に役立つ。
批判的に読めば、その中心的なメッセージは今も力を保っている。共通言語は比較するために役立つのであって、個人の経験を打ち消すためのものではない。正確な記述と好みは、それぞれ異なる役割を果たす。読者が何が変わったかを言葉にし、同時になぜそれを好むのかも説明できるようになれば、他人の序列を消費することをやめ、自分の判断基準を築き始める。この官能リテラシーと自律性の組み合わせこそ、尋味咖啡 の最も長く残る貢献である。